リサイクルPETパッケージ導入のお知らせ

ボトル回収プログラムを開始してから1ヶ月が経過しました。まだまだリユース製品を発売できるほど回収できておりませんが、実にたくさんの販売店様からご支持を頂き、長い目で見つつ、回収サイクルが作れる見込みです。

さて、今年8月頃より、パック製品に関しても全てリサイクルPETを使用した再生パッケージに順次切り替えていくことを決定しました。世界最高レベルのリサイクル率を誇るメカニカルリサイクルPETフィルムを用いたスタンドパウチを採用し、現在、最高の技術を持つサプライヤーと素材選定の最終チェックを行っております。
7月中に加速試験を通過し、8月中旬から9月上旬の出荷開始予定です。

BLACKは、現在のアルミ蒸着から蒸着なしに変更しますので、メタルな感じのロゴから透明切り抜きロゴとなります。PURE、SPEED、EFFECTは裏面が白の半透明だったものが、白印刷に変わる予定です。パッケージ変更はまだ予定の段階ですので、決定次第、告知いたします。

と、ここまでは良い感じの響きでしたが、裏話をほんの少しだけ。

リサイクル素材について

リサイクル素材のパッケージを探し始めたのは2012年。CO2排出量計算もこの年から始めました。小回りのきくサプライヤーなどなく、技術や設備を持っているのは大手のみ(これは今でもまだ変わりません)。ということで、なんといっても立ちはだかるのは費用の高さでした。当時、リサイクルPET素材のパッケージは、一般的なものに比べ5倍以上の価格でした。さらに、1種につき初期費用がかかります。もちろん全て前払いですから、借金にまみれて倒産間違いなしです。

ちなみに、再生PETの仕組みは、まずペットボトルを回収。キャップ・ラベルを外し、洗浄。汚れのついた表面を全て削り取って、細かく粉砕する。これが原料になります。この時点で結構なロスがあって、このロスの分はサーマルリサイクル(燃やしてエネルギーとして使う)。これを特殊な方法でフィルム化、もしくはPET製品にする、という感じ。

2016年頃より、世界的に大企業をはじめとして再生エネルギーや持続可能な包装材への関心が高まり、日本でも2018年からセブンイレブンやコカ・コーラなどが自社での回収PETボトルをリサイクルして利用することを決定して注目を集めました。そうして企業が動き出すことで需要が高まり、PETボトルのリサイクル材が私たちのような小さい会社でも手の届くレベルになりました。それでもコストは3倍なので踏み切るには勇気(とお金)が必要。

ただし、難題はまだまだあります。PETボトルならば100%リサイクル素材での製造が可能ですが、パウチはそうではありません。パウチは複数のフィルムから構成されていて、リサイクル素材が使えるのは一部です。ある程度の強度を出すにはナイロンが必須です。再生ナイロンには今のところバイオマス(賛否両論)の技術が必要で、初期費用はメカニカルの比じゃありません。目が飛び出ました。じゃあもうパウチはやめて全部PETボトルにしたらいいじゃない。と、僕も思いました。ボトルの金型を一つ作るのにかかる金額、、、目が飛び出ました。ウゲー。リサイクルの技術が進んで、コストも下がっていくことを祈るほかありません。それでも目指すべき方向は見えてきたので良しとします。

今回はメカニカル再生PETを使用したパウチ(最小限のナイロン、最大限の再生PETと十分な強度と耐環境変化)、というのが私たちの最善策であり妥協点。
環境に配慮したサプライは日夜進化しています。技術の進化というよりは、それがビジネスとして軌道にのり始めて、環境に配慮する余裕のない中小企業の手の届く範囲に降りてくる、という進化です。日本の軟包装業界は超遅れていますが、昨年末にビッグサイトで行われた環境に配慮した包装についての展示会にも多くの企業が参加するなどして、その重要さ(企業の生き残りのための)は間違いなく認知されてきていると感じます。

結局のところ、会社の利益と天秤にかける他ありません。コストに見合う利益を出せるのかどうか。社会的な利益はもちろんですが、企業利益についても、個人的には数字で判断できないと思うのです。目に見えないものの重要さ。メーカーは、ユーザーの反応や代理店の印象やセールス、ブランドの評価などを実際に知ることができません。だからこそ数字を見てしまう。数字以外見なくなる。数字はいつも後からついてくるものだという事実が見えなくなってしまう。
こうしてリサイクルや環境活動、社会問題について考える時、毎度試されている気がします。これは必要なのか。これは正しいのかどうか。情報に踊らされているだけではないか。何かを選択したら、ユーザーはそれを理解してくれると信じられるか。たとえ間違っていても応援してくれると信じられるか。数字が後からついてくると信じられるか。小売でも、ジムでも、卸売でも、製造でも、必要なのは勇気!(と、お金)

リサイクルの数字、他国との比較など

リサイクルのシステムは複雑です。無知な我々は数字で判断するしかありませんが、数字そのものが複雑なのです。数字に潜むダウトを理解して、ポジティブに捉えつつ安心しないこと、常により良い方法を模索し続けることが大事です。そして、より良い方法とは、ゴミを減らすこと。再利用すること。

再生PETを利用した素材だから使い捨てて良いということではありません。需要がありそこに利益が生まれることで技術が成長することも考えると、新しい技術を用いて作り続けることも必要なのかもしれません。それでも、優先順位は変わらず、リデュース、リユース、リサイクル。
3R、いいですよね、ホップステップジャンプって感じで。

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以下、リンクいろいろ。参考までに。

日経新聞 「リサイクル率は年々上昇」
2017年、86%に達した日本のリサイクル率

PET ボトルリサイクル推進協議会「日米欧のリサイクル状況比較」
ヨーロッパ41.8%、US 20.9%に対して日本は84.8%という統計データ(2017)

世界基準からズレた日本の「プラごみリサイクル率84%」の実態
https://forbesjapan.com/articles/detail/24796

国立環境研究所 – コラム – 知ってほしい、リサイクルとごみのこと
2017年の記事ですが、数字で判断が難しい世界のリサイクルについて書かれています

NHK – プラスチックごみ 世界最大の輸出国 アメリカは今
中国のプラゴミ輸入停止から1年。日本はプラゴミ輸出世界2位。これからは量り売りが主流に?

(山本)